抄録
自然界の色は色素色と構造色の二つに大別することができる。構造色は光の波長以下の微細構造により生じる光学現象に起因する発色であり、照明条件や視点位置によってその見え方は大きく変化するという特徴を持つ。コンピュータグラフィックスにおいては、微細構造をモデル化することでこの構造色のシミュレーションがある程度は可能であるが、特定の対象に特化したモデルになってしまう。本研究ではリアルタイムでの描画を想定し、テクスチャへの物理的パラメータの格納をベースにし、 帯域構造と微細構造を個別に取り扱うことで、より汎用性のある構造色レンダリング手法を提案する。