システム制御情報学会 研究発表講演会講演論文集
第49回システム制御情報学会研究発表講演会
セッションID: 4C4-1
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オブジェクトモデル化に基づくJavaによる数値計算プログラム開発環境
*古賀 雅伸松木 毅佐田 宙
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抄録
本論文では,数値計算に特化した,いわゆる数値計算言語の機能をJavaで利用するための方法を提案し,その方法に基づき開発したツールについて報告する。また,そのツールを統合開発環境Eclipseにプラグインとして組み込むことで開発した効率的な数値計算プログラム開発環境について紹介する。Javaが組み込み機器等の多くの分野で利用されるようになり、Javaで数値計算を行うためのクラスの実装が活発に行われている。しかし,演算子のオーバーロード機能がないため,メソッド呼び出し形式で記述された計算式のコードが分かりにくいという問題がある。数値計算言語では、数学的な記述をそのままプログラムコードに記述できるという長所がある。そこで、オブジェクトモデル化という概念に基づいて数値計算言語の長所をJavaで利用する方法を提案する。数値計算言語の1つであるMaTXの機能をJavaで利用するために開発された,MaTXのコードをJavaのコードに変換するコンパイラおよびMaTXのコードをJava 上で直接実行できるインタプリタについて報告する。インタプリタのコアは,MaTXの命令を1命令単位で解析・実行可能な数値計算エンジンとして実装されており,Javaプログラムから利用できるだけでなく,コマンドライン入力に基づく対話型の利用が可能である。近年,IBMがオープンソースコミュニティに寄付したIDE(統合開発環境)であるEclipseがソフトウェア開発者の間に爆発的に普及している。Eclipseでは,プラグラインという形で新しい機能を簡単に追加でき,そのプラグインの開発もEclipse上で容易に行えるというのが普及の主な理由の一つである。そこで,MaTXの機能を利用する数値計算プログラムを効率的に開発できる開発環境をEclipse上に実現するためのプラグインを開発した。このプラグインでは,MaTXコードからJavaコードの生成,MaTXコードの直接実行,行列エディタ機能等を利用できる。
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© 2005 システム制御情報学会
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