抄録
人工のシステムの階層構造では、相互作用と属性は階層の各層に依存するか否かという違いを持つ。機能の階層構造では下位機能が上位機能として再び分解されるので、一つの機能が相互作用と属性の2通りに解釈されている。本研究では、人工のシステムにおける階層構造を用いて「相互作用としての機能」と「属性としての機能」との対応関係について数学的に分析した。そして直観的には両者に対応がつくのに、数学的には対応がつかないことを示した。したがって、属性と相互作用は、何らかの数学的に明らかでない仕組みによって関連付けられていると考えられる。我々はこの現象が創発であると主張したい。