システム制御情報学会 研究発表講演会講演論文集
第49回システム制御情報学会研究発表講演会
セッションID: 2C1-7
会議情報
強化学習を用いた和音列生成による共創的作曲
*鈴木 晋太郎竹中 毅上田 完次
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
曲を音の時間的(横)・空間的(縦)配置として捉えると,作曲は音の時間的・空間的な配置決定問題とみなせる.また,配置された音は人間の認知的特性に基づく相互依存関係にある.そこで,1つの楽音をエージェントとみなし,音の配置を感覚的協和に基づいて評価したものを報酬として与え,強化学習をさせることで,共創的に配置の決定(作曲)を行うという手法により協和音列の自動生成を行った.結果,感覚的協和を時間軸に拡張して評価すると,生成される和音列が既存の音楽理論における調性と同様の秩序を持つことがわかった.また,感覚的協和を用いた様々な評価方法により生成した和音列の印象を問う聴取実験をした結果,被験者はこれらの和音列を”響きの美しさ”と”親しみやすさ”の2軸で聞き分けており,時間軸に拡張した感覚的協和は響きの美しさと強く関係していることがわかった.本研究は,人間の作曲活動の暗黙的な領域の問題(音楽的要素の相互作用やシンセシス)を理解することを目指したものである.
著者関連情報
© 2005 システム制御情報学会
前の記事 次の記事
feedback
Top