日本食品科学工学会誌
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イシル(魚醤油)中のポリアミン含量について
道畠 俊英加藤 大亮矢野 俊博榎本 俊樹
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2006 年 53 巻 6 号 p. 337-343

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抄録
市販のイカイシルおよびイワシイシルのポリアミン類について分析を行い,更にイカおよびイワシイシルの試醸を行い,その生成過程におけるポリアミン類の消長について検討し,その結果を以下に示す.
(1)市販のイカイシルでは,Spd, Himが共通した主なポリアミンであり,Tym, Putが多いもの,Agmが多いものなど製品間にかなりのばらつきがみられた.
(2)市販のイワシイシルでは,Himが最も多く含まれており,この他Tym, Spdなどが主なポリアミンであり,イカイシルに比べ製品間のばらつきは少なかった.
(3)試醸したイカイシルではCad, Agm, Spdが初期段階で多く含まれており,これらはいずれも8ケ月間前後まで経時的に減少し,その後はほぼ一定となった.その他のものは,経時的な変動はほとんど無く,試醸期間を通してほぼ一定の値を示した.
(4)試醸したイワシイシルでは,Himが6ケ月までわずかに増加するものの,いずれのポリアミンも経時的な変動はみられず,試醸期間を通してほぼ一定の値を示した.
以上のことから,イシル中のポリアミンは,いくつかの微生物の関与があるものの,他の水産加工品でみられるHim生成菌の関与はほとんど無く,原料に含まれる量にその大部分が依存しているものと考えられた.
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© 2006 日本食品科学工学会

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