抄録
車載システムにおいては,複数のECUの出力から操作量を決める調停機構の動作検証は,開発段階で不具合を網羅的に取り除くことができるので,今後ますます重要となる.本報告は,同期型言語による検証ツールであるSCADEを用いて,調停機構を検証するときの問題点について検討する.複数のECUと周囲の環境のモデルを作成し,物理量までを含めたシステム全体を対象に,SCADEのモデル検査機能を利用して検証する.特に,例題としてオートクルーズシステムを取り上げ,どのようなプロパティが検証可能であるかを調べる.