抄録
量子風進化的アルゴリズム(QEA)は,量子ビットにおける重ね合わせ状態から着想を得た進化的計算法である.QEA は0-1 ナップザック問題において,従来の遺伝的アルゴリズムよりも優れた探索性能を示すことが示されているものの,グループ数や,移住のタイミングなど,調整すべきパラメータを多数含んでいる.本稿では,量子風進化的アルゴリズムにおいて,2 個体間で最良解情報を交換する対交換戦略(QEAPS)を提案する.QEAPS はQEA よりもパラメータが少ない単純なアルゴリズムである.0-1 ナップザック問題を用いた評価実験により,(1) QEAPS はQEA よりも品質のよい解を安定して得ることができ,(2) QEA は問題に特化した制約違反対処法を用いなければよい解を得られないのに対し,QEAPS では単純な制約違反対処法でも高品質の解を得られることを確認した.また,(3) QEAPS とQEA の探索性能が最良解情報の多様性に起因していることを確認した.