抄録
スケジューリング問題は産業への応用が非常に重要であり,その中でも実用的な枠組みである資源制約付きスケジューリング問題(RCPSP)は,今日でも多くの研究がなされている.RCPSPでは主として総完了時刻の最小化を目的とするが,納期ずれにより発生する納期ずれコスト和の最小化も重要な指標である.目的関数を納期ずれ最小化とするRCPSPをRCPSP-WETという.RCPSP-WETに対する既存解法は存在するが,仕事数が増えると計算時間が爆発的に増加し事実上実行不可能となる.そこでRCPSP-WETに対して,RCPSPでその優位性を示している遺伝的アルゴリズム(GA)を適用する.GAの遺伝子として仕事リストを利用するが,本研究ではそのリストからのスケジュール生成法を提案し,納期ずれの最小化と計算時間のトレードオフを行う.