抄録
ロボカップでは,2050年までにヒューマノイドロボットのチームでサッカーワールドカップチャンピオンチームに勝利するという目標が掲げられている.目標達成のためにサッカーの部門で5つのリーグがあり,本研究ではその5つのリーグの内の小型ロボットリーグを元にしたシステム構成を用いる.本研究の目的は,Q-Learningを用いてサッカーロボットを制御することである.今回は簡易化のためにロボット一台だけで行い,敵チームも存在しないものとする.実験で使用するサッカーロボットは比較的安価で入手が容易な株式会社ブレイブ製のMr.SOCCERを使用する.一般的に強化学習には膨大な時間がかかるため,エージェントは物理シミュレータで学習を行った後,最終調整として実機を使った追加学習を行う.ロボカップサッカー小型リーグと同様に,サッカーフィールドを真上から撮影した映像を画像処理してロボットの制御に用いる.本研究で提案する強化学習を用いた制御方法の有効性がMr.SOCCERで示されれば,本研究をロボカップサッカーの小型リーグに応用できる可能性があると考える.