抄録
消費電力を抑えつつ高い実行性能を得るには、マルチプロセッサによる並列処理が有効である。プログラムの並列化では、プログラムをタスクに分割し、各タスクの実行時間とタスク間の依存関係を基に、総実行時間が最短となるようにスケジューリングを行う。一般に、タスクの実行時間は入力に依存し、各タスクの実行時間の間には相関がある。このため、ある入力に対して最適なスケジューリングが、他の入力に対しても最適であるとは限らない。そこで本研究では、全ての入力に対して、最悪実行時間が最短となるものを最適なスケジュールと定義する。スケジューリングや最悪実行パスの解析はNP問題であるが、タスク間での実行時間の相関を利用して、最悪実行パスの解析対象タスクを限定することにより、計算量を抑制する。