抄録
現在,我々の研究グループでは視覚障害者などの単独の外出の際にハンディキャップがある人の歩行を補助するためのロボットの開発を進めている.このロボットには歩行支援のためのさまざまな機能が実装されている.特に視覚センサを用いて実現した障害物回避機能は使用者の安全を確保するうえで必須の機能である.ロボットが移動する際には静止した障害物の回避のみならず,歩行者や自転車などの接近する移動物体との相互回避を行えることが安全な通行のために必要となる.本報告では,歩行補助ロボットの行動範囲の拡大と利便性の向上をめざして,移動可能な領域を検知する道路認識手法を組み合わせた移動物体認識の方法について提案する.