抄録
実践的な制御システムは,物理的に容易に実現できる制御手法と,制御理論に據って設計,構成される.その制御理論としてはフィードバック制御以外にない.製品の品質(制御量)と生産量(負荷または流出量)が指定されるプロセス工業においては,制御量を目標値側に戻す系と,操作量(流入量)を生産量側に戻す二つのフィードバック系によって,制御系それぞれの項目が一致するように制御されている.従って生産中に目標値が変わらない定値制御が主体のプロセス制御では,生産量が操作量と一致する制御が行われることになる.このフィードバック制御が,いわゆるフィードホワード制御であって,最適制御となる.いまむだ時間を含む1次おくれプロセスに対して生産量と操作量とが等しくなるように,制御系を設計すると,その特性はPIDとなり,プロセスの逆特性となる.