抄録
近年,アプリケーションはその機能肥大化に伴いより多くのGUI部品から構成される傾向にあり,また同時に複数のアプリケーションを利用する状況も増えている.このような背景により,計算機のデスクトップ画面は目下の作業にとって重要でないGUI部品が大部分を占め,むしろ作業効率が下がる場合も生じ得る.本研究では複数のアプリケーションで用いられる既存のGUI部品を取捨選択し,それらを任意にレイアウトして機能連携を図ることにより,作業目的に適応的に変化する柔軟なアダプタブルユーザインタフェースを提案する.本インタフェースでは,個々のアプリケーションの機能は維持しつつ選択したGUI部品以外の構成要素が非表示となるためスクリーン領域の有効利用が可能である.また,複数のGUI部品を新規のウィンドウ内に配置してそれらを一括して管理することができる.さらにメニューやショートカットとそれらから呼び出される機能の対応を専用のエディタで編集することで柔軟な機能連携を実現できる.