抄録
ヘビロボットとは,受動車輪が取り付けられた連結されたリンクの関節の角速度を入力とすることで制御し,車輪が横滑りしないという拘束条件をもつ非ホロノミックシステムの移動ロボットである.今回考えるのは,生物のヘビの動きをモデルとし蛇行推進を基本とした制御とはまったく異なる観点から,ロボットにアプローチをする.それはロボットが可制御構造であるという点である.この場合のヘビロボットの振る舞いを解析していこうとすることから研究が始まった.可制御性の観点からのアプローチから,2つの入力を取ることで制御可能であることがわかる.先行研究では,制御方法として入力に周期的な入力を加えることでLie括弧積に対応する動きを生成するという方法が提案され,また最小構成である3リンクのヘビロボットの制御の研究がなされている.本研究ではnリンクへの拡張の第一歩として4リンクヘビ型ロボットを考える.4リンクにしたことで増えた冗長な部分のふるまいの解析をすることで,nリンク拡張への足がかりとなり,さまざまな非線形システムをもつ機械の制御手法の基礎を築く.