抄録
持続型社会のシステム設計や評価においては、定常均衡状態よりもマクロな変動循環状態のほうが、理想と現実の間に位置する頑健性の特性として設定するのが妥当であろう。 本報では単純化された社会ネットワークの数理モデルにおいて、前報の人・もの・金の直接・間接移動交換型に続き準ロトカ・ヴォルテラ型を含めて、マクロな変動循環解の存在条件について考察を加えた。 数理モデルとしては連立一階微分方程式を用い、主として位相平面空間における閉曲線解軌道の存在の有無を調べ、更に外部的な影響として、係数が循環変動する場合にも考察を加えたのが大きな特色である。