抄録
街中の至る所に設置された監視カメラ等のセンサから人物の位置やその属性情報を獲得しウェブに公開することで,プライバシを侵害することなく実世界の情報をリアルタイムで獲得可能なセンサネットワーク(センシングウェブ)を構築することができる.しかし,各監視カメラからこれらの情報を正確に抽出するためには,撮影映像中で人物を正しく追跡する必要がある.そこで本稿では,固定設置された監視カメラにおいては,その撮影映像中での人物の見えの大きさと位置との間に一定の関係があることに着目し,事前の長時間観測によってこの関係を獲得しておき,それを以後の追跡時に利用することで,安定に人物追跡する手法を提案した.また,実際の監視カメラ映像を用いて,その有効性を確認した.