抄録
近年,身体的能力の低下からベッドから転落し,負傷をする高齢者が増加している.本研究では,その転落事故を未然に防ぐことを目的とし,画像を用いてベッド上での検知対象者の行動の検知を行うニューラルネットワークを用いた起床動作検知システムの開発を行っている. 本論文では,はじめに実際の病棟内で撮像した臨床画像を用いて検知実験を行い,現在のシステムの検知性能を確認する.実験結果から,画像の輝度値が検知成功率に影響を与えていることが判明した.そこで,検知に用いる画像の平均輝度値に関する解析を行う.平均輝度値が異なる画像に対し、検知能力向上を目的として,ヒストグラム均等化を加えた新画像処理方法の提案を行う.