抄録
内点法や楕円体法で使われるDikin楕円の中心と半径を適切に決めることにより凸二次不等式系で定義される領域を含む楕円を構成できることが知られている.本稿では,(1)Zhang&Ye(1998)において制約の本数mであると述べられている包含関係が保証される半径の値が実際にはsqrt{m^2+m}であることと,(2)原問題がNP困難でありながら制約条件を中心が一致する楕円内とした場合には半径をsqrt{2m}とすれば包含関係が保証されることを示す.また,(3)緩和問題の許容領域を表すDikin楕円の近似精度を緩和問題の最適解近辺で上げることが容易であることを延べ,いくつかの計算手法を説明する.