抄録
本研究の目的は、中学生男子サッカー選手を対象に3200 m走タイムから推定されるvVO2maxを用いた8週間の有酸素性トレーニング(vVO2max TR)による有酸素性走能力への効果を検討することであった。対象者は中学1年生12名であり、有酸素性走能力を把握するために3200 m走テストを10、11、12月に実施した。10月の3200 m走タイムから対象者をトレーニング群(下位5名)とコントロール群(上位7名)に分類し、トレーニング群はvVO2max TRを週2回、8週間にわたって実施した。トレーニング群とコントロール群の10、11、12月の3200 m走タイムを混合モデル分散分析によって比較した結果、有意な交互作用が確認された。また、トレーニング群のみ対象者内要因が有意であり、10月に比べ11、12月の3200 m走タイムは有意に短縮した。本研究の結果から、有酸素性走能力が低水準の選手が8週間のvVO2max TRを実施することによって、高水準の選手との有酸素性走能力の差が縮小すると推察された。