前十字靭帯(ACL)の再建術後には、大腿四頭筋の筋力低下が長期間続くが、スポーツへの安全な復帰を促すためには、この問題に対処する必要がある。傷害を負った膝関節をかばう非対称的な運動パターンは、健側下肢や患側下肢の他の関節に要求を移行するため、通常のストレングスエクササイズにおいて、弱化した大腿四頭筋を強化する効果が制限させる可能性がある。スクワット中に左右対称に負荷する状態へ早期回復することに焦点を合わせること、個別エクササイズとしてのニーエクステンションをプログラムに取り入れること、さらに、スプリットスクワットやランジなど、スプリットスタンスの動作を含めるようエクササイズの選択を変更することなど、多面的な取り組みがACL再建術後における大腿四頭筋の筋力を回復させると思われる。