Strength and Conditioning Journal Japan
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Print ISSN : 1883-4140
From Strength & Conditioning Journal
がん治療中にウエイトリフティングに安全に復帰するための自主的調節の利用
Francis M. KozubJustin FallerJesse M. Kozub
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2024 年 31 巻 5 号 p. 57-67

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抄録

がんと診断されたマスターズレベルのウエイトリフティング選手は、治療を成功させる計画の一部として、トレーニングに復帰することができる。高齢者はがんのリスクが高いとされるが、マスターズのウエイトリフティング大会に参加している高齢者も世界中に大勢いる。このようなアスリートにとって、診断前に楽しんでいた活動を再開することは、日常生活への復帰の一部である。本稿では、手術による身体の変化、がん治療による副作用、高齢のアスリートに影響を及ぼす加齢による衰えなどを考慮した上で、ピリオダイゼーションの原理と統合した自主的調節を用いることを推奨する。手術や化学療法、放射線治療を受ける際は、治療による副作用を経験しているアスリートの安全で順調な回復を保証するために、ワークアウトを診断前のレベルから変更する必要がある。ストレングス&コンディショニング(S&C)専門職は、数ヵ月に及ぶ治療サイクルの中で調子の良い日も悪い日も経験するがん患者を、日々のエクササイズ処方においてサポートする必要があり、そのための有効な方法として自主的調節を推奨する。レジスタンストレーニングは、回復を成功させるためのエビデンスに基づくひとつの実践である。本稿の助言は先行研究に基づいており、マスターズウエイトリフティング選手が高度なレジスタンストレーニングに復帰するためのプログラムの作成に役立つだろう。

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