Strength and Conditioning Journal Japan
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スポーツにおける伸張性エクササイズの理論的根拠と応用:現場への実践的提案
Marco BeatoJonathan HughesChristopher TaberPhilipp BaumertTimothy J. Suchomel
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2026 年 33 巻 2 号 p. 17-28

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抄録

本レビューの目的は、伸張性トレーニングの注目度が非常に高まっていることを考慮して、科学的根拠を示すこと、利用可能な伸張性トレーニングの様式を総括すること、そして競技パフォーマンスの向上のために伸張性トレーニングを実施する方法について、実践的な助言を提供することである。伸張性筋活動の根底にある分子的また神経的メカニズムは、短縮性筋活動や等尺性筋活動とは部分的に異なっている。伸張性筋活動中は、筋の緊張によってクロスブリッジレベルでアクチン-ミオシンの相互作用が変化し、構造タンパク質であるタイチンが活性化し、タイチンがアクチンに巻き付くことを示唆する理論がある。伸張性エクササイズの生理学的な急性反応は、短縮性エクササイズとは異なり、神経筋、代謝、ホルモン、およびタンパク同化シグナルの伝達などの違いが含まれる。伸張性トレーニングは、短縮性のみのトレーニングまたは従来のレジスタンストレーニングと比較して、筋力、パワー、および伸張-短縮サイクル機能に、より大きな改善をもたらす。したがって、伸張性トレーニングは神経筋適応(運動単位のコーディネーションの向上など)および形態学的適応(筋束長の増大や遠位の筋横断積の増加など)をもたらし、これらは競技パフォーマンスに重要な役割を果たす可能性がある。専門職は、目標に合わせた特異的な身体適応を促進するために、外部負荷を用いた伸張性エクササイズ、完全な伸張性エクササイズ(ノルディックハムストリングスカールなど)、伸張性局面を強調した負荷、フライホイールレジスタンスエクササイズ、プライオメトリックスなどを処方できる。その他の運動中にも、(例えばハムストリングスのための)伸張性運動として、下り坂ランニングや減速運動、またスプリントなどを行なうこともできる。専門職は、唯一の「万能な」トレーニング様式など存在しないことを認識しなければならない。望ましい適応を獲得するために、専門職は、アスリートのために伸張性トレーニングを組み合わせたトレーニング方法を用いることが必要である。

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