運動は、急性および慢性の痛みを管理するための効果的かつ医薬品に頼らない方法として、ますます認識されつつある。ただし、様々な運動環境や対象集団のために適切に調節された、正確な疼痛評価法がきわめて重要である。本レビューでは、既存の疼痛評価法を概観し、視覚的アナログスケール(Visual Analog Scale)や数値的評価スケール(Numerical Rating Scale)などの自己報告による測定法と併せて、圧痛閾値( Pressure Pain Threshold)や条件付け疼痛調節(Conditioned Pain Modulation)などの定量的測定法にも注目する。これらの方法は、痛みの軽減の背景にある神経生理学的メカニズムについて貴重な知見を提供する。運動は一般的に「運動誘発性鎮痛(EIH:exercise-induced hypoalgesia)」として知られる一時的な疼痛感受性(痛み感度)の低下をもたらすが、この反応の有効性は、運動強度、心理状態、既存の疼痛症状などの様々な要因に左右される。さらに、運動そのものが、時には筋疲労や遅発性筋痛による一時的な不快感を引き起こすこともある。本レビューは、ストレングス&コンディショニング(S&C)専門職や研究者に対し、(a)適切な疼痛評価ツールの選択、(b)研究プロトコルの策定、(c)特定の集団や疼痛症状に合わせた運動介入の最適化、という目的に沿った明確な枠組みを提示する。自己報告式評価法や定量的測定法を検証し、データ分析や実践的応用に関する考察を加えることにより、本レビューは、S&C専門職が、EIHに関する研究文献を解釈し、トレーニングや回復を指導するための実践的な疼痛モニタリング対策を様々な集団に適用できるように支援する。