2026 年 33 巻 6 号 p. 45-62
本研究の主な目的は、健康な成人における筋サイズ向上のために、血流制限トレーニング(BFR)と従来のレジスタンストレーニング(TRT)の効果を系統的に比較することであった。二次的な評価項目は、筋力と筋持久力の向上であった。以上について、メタアナリシスを伴うシステマティックな検索を行なった。あらかじめ設定した基準を用いて、データベースと参考文献から541件の独自論文が抽出された。表題、抄録、全文をスクリーニングした結果、20件の論文が本レビューに含まれた。BFRとTRTによる筋肥大を評価した論文は全20件、筋力を評価した論文は19件、筋持久力を評価した論文は1件であった。このうち10件の論文データが、メタアナリシスの対象となった。質的分析では、13件の研究において、少なくとも1件の筋肥大の結果において条件間に差は認められなかったものの、TRTとBFRが筋サイズを増大させた。また5件の研究では、TRTとBFRの筋肥大に対して異なる改善効果が認められた。筋力に関して、TRTとBFRは、15件の研究において、少なくとも1件の結果について、筋力の増加に条件間の差はなかったが、9件の研究では、筋力の改善にTRTとBFRの間に有意差が認められた。メタアナリシスの結果、筋サイズ(ES=0.045、95%CI[−0.278~0.367])または筋力(ES=−0.149、95%C[−0.439~0.141])の向上には、BFRとTRTに有意差はないことが示唆された。専門職は、BFRトレーニングを実施することにより、特に8週間以上のトレーニング期間において、筋サイズと筋力を適切に増大させることができる。