脳卒中の外科
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原  著
くも膜下出血後の痙攣と抗てんかん薬投与の実際
穂刈 正昭新保 大輔栗栖 宏多内田 和希奥山 友浩澤谷 亮佑宮田 圭山口 佳剛安喰 稔高田 達郎浅岡 克行板本 孝治
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2024 年 52 巻 3 号 p. 189-194

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抄録

くも膜下出血(SAH)後の痙攣発作は6-30%にみられ,予後不良因子との報告もあるが,抗てんかん薬(ASM)の予防投与の効果は示されていない.当院のSAH患者における痙攣発生頻度とその要因,ASMの使用状況を調査した.

2015/4/1-2020/12/31に当院でSAHに対し根治術を行った190例を対象とし,痙攣の有無,痙攣の時期,使用したASMを調査した.

190例中40例(21.1%)に痙攣発作を認めた.重症例,開頭術,頭蓋内血腫つき,中大脳動脈瘤,遅発性脳虚血の発生が,痙攣に有意な因子であった.痙攣の時期は,発症時痙攣(OS)が5例,早期発作(ES)のみ11例,ESおよび遅発発作(LS)を起こしたのが11例,LSのみが13例であった.OSとESを起こした27例中14例(51.9%)でLSを起こしていた.OSの5例を除いた185例中47例(25.4%)で予防投与が行われていた.投与されたASMはレベチラセタムが最多で,投与開始後1カ月以内にASMの副作用を理由に投与中断した症例はなかった.

痙攣リスクが高いと判断されるSAH患者に対する新規ASMの1カ月程度の予防投与は許容されると思われた.またSAHでは,急性期であっても痙攣発作を起こした場合,比較的高率に症候性てんかんに移行しており,注意が必要である.

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