脳卒中の外科
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原  著
脳血栓回収術にて再開通が得られない症例に対する急性期浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術の有効性
阿美古 将橋本 幸繁土江 遼平堀江 信貴
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2026 年 54 巻 2 号 p. 87-92

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抄録

機械的血栓回収療法(mechanical thrombectomy:MT)は,急性期脳主幹動脈閉塞症の標準治療であるが,再開通が得られない症例(MT failure)も一定数存在し,予後不良となることが多い.本研究では,救済可能な虚血penumbraを有するMT failure症例に対する緊急浅側頭動脈-中大脳動脈(STA-MCA)バイパス術の有効性を検討した.

2021年7月から2024年6月までに,当院で前方循環系急性期脳梗塞に対しMTを施行し,再開通が得られなかった80歳以下の12例を後方視的に解析した.2023年1月以降は,MT直後に灌流CT(perfusion CT:P-CT)を施行し,脳血流低下・平均通過時間延長・脳血液量保持により,penumbraを評価した.penumbraありと診断された症例は緊急STA–MCAバイパス術(A群,6例),その他は保存的加療(B群,6例)とした.神経学的予後(NIHSS,mRS),出血性合併症,死亡率を比較した.

7日後NIHSSはA群9.5,B群13.3で,90日後mRSはA群1.8,B群4.1とA群が有意に良好であった(p=0.03).A群に症候性頭蓋内出血はなく,死亡率はA群0%,B群66.7%であった(p=0.026).全例でバイパス開存が術後3D-CTAで確認された.

P-CTによる救済可能脳組織の評価に基づく緊急STA-MCAバイパス術は,選択されたMT failure症例において機能予後および生存率の改善に寄与する可能性がある.迅速な評価と介入が予後改善の鍵となる.

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