Second Language
Online ISSN : 2187-0047
Print ISSN : 1347-278X
ISSN-L : 1347-278X
研究論文
日本語学習者の音読におけるプロソディーと文理解
セス ゴス中山 峰治
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 10 巻 p. 33-50

詳細
抄録

外国語(第二言語)学習者の音読には、しばしば自然な「リズム」が欠けている。このようなリズム、またはプロソディーの誤りは文構造の誤解に起因する可能性が高い。第二言語におけるプロソディーの先行研究は少なく、本稿では、第二言語としての日本語のプロソディーと文理解の関係を、音読を通して究明したい。特に、アメリカ人(英語母語話者)の日本語学習者による枝分かれ修飾構造のプロソディー産出と文理解の関係を考察する。日本語能力の異なった学習者に、構造的にあいまいな文とあいまいでない文を与え、その音読と文理解度を日本語母語話者のものと比較した。実験の結果、学習者は、文理解はできるものの日本語母語話者のようなプロソディー産出ができないことが分かった。つまり、日本語学習者の場合、プロソディーと文理解が必ずしも一致するとは限らない。

著者関連情報
© 2011 日本第二言語習得学会
前の記事 次の記事
feedback
Top