2020 年 19 巻 p. 39-54
本研究は, 日本語を母語とする初級・初中級の英語学習者が, 主語脱落を含む文の非文法性にどの程度気づくことができるのかに関して検証することを目的とする.本研究で行った実験では, 極力明示的文法知識の干渉を排除し, 主語脱落に関する暗示的文法知識を引き出すために, 自己ペース読み課題を採用した.実験結果では, 初級・初中級の英語学習者であっても, 主語脱落文の非文法性に対して敏感である傾向が示された.この結果は, 日本語のような話題卓越言語を母語とする英語学習者であっても, 主語卓越言語の値にパラメータの値を再設定することが可能であるという主張を支持するものである.