物理探査
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論文
宮崎県中部沿岸部における線状連続のS波速度構造および地震動の推定
岩田 直泰津野 靖士山本 俊六
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2014 年 67 巻 2 号 p. 95-106

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抄録
  地震発生の際に路線上の揺れが大きく,鉄道施設や走行列車の安全性が懸念される場合,鉄道事業者は可能な限り早く列車を停止させる。その後,定められたルールに則った徒歩巡回等により軌道や鉄道構造物の安全性が確認されれば,列車の運転が再開される。この安全確認は目視で軌道や構造物などに変状がないことを確かめるため多大な時間を要する場合がある。運転再開までのダウンタイムの短縮を図るには的確かつ効率的に安全確認を行う必要があり,そのためには対象路線沿線の地盤震動特性を詳細に把握し,地震発生時にほぼ一定間隔に配置されている地震計設置地点以外の地震動を素早く正確に推定することが重要となる。
  本研究では,宮崎県中部沿岸部に位置する全長約7kmの宮崎リニア実験線をモデル路線として,線状に連続したS波速度構造および地震動の推定を試みた。推定手順として,まず物理探査手法である表面波探査と微動アレイ探査を用いて地震計が設置されている2箇所のS波速度構造を求めた。次に,線状に連続して測定した単点微動データによるH/Vスペクトル比を用いて,物理探査手法により求めた地下速度構造に基づき,線状連続のS波速度構造を推定した。そして,設置地震計により観測されたデータから基盤入力地震動を求め,線状連続のS波速度構造を用いて1次元重複反射理論により対象路線上の地震動を推定した。推定地震動と観測地震動の比較による精度検証を行った結果,本研究で行った線状連続のS波速度構造および地震動の推定に対する手法の有効性が確認された。
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© 2014 社団法人 物理探査学会
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