2018 年 71 巻 p. 136-147
宇宙線ミューオンを用いた大規模構造物内部センシング技術であるミュオグラフィの地下探査への適用にあたって,本稿では近年発展が著しい機械学習の利活用の可能性について検討する。ミュオグラフィの物理および機械学習の代表である深層学習の概要について振り返ると共に,高精度なトモグラフィと観測期間の短縮をミュオグラフィで実現するために有効である超解像度,GAN,LSTMといった深層学習の適用技術についてレビューする。また廃鉱の坑道を用いた地下探査実験について紹介し,今後の研究開発の方向性についても報告する。