日本生気象学会雑誌
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原著
着衣素材日射特性の屋外測定における放射測定器位置が日射吸収率に及ぼす影響
渡邊 慎一堀越 哲美冨田 明美
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2010 年 47 巻 1 号 p. 25-33

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抄録

屋外における温熱的快適性を評価する際,着衣人体の日射吸収率は極めて重要な要素となる.本研究の目的は,屋外において着衣素材の日射吸収率を適切に測定するために必要な情報を提供することである.測定には長短波放射計および日射計を用いた.測定対象布の形状は等しい面積を有する正方形・長方形・人体形の 3 種とした.実験により以下の知見を得た.着衣素材の日射吸収率を適切に測定するためには,測定場所以外からの反射日射が測定センサーに入射しないようにしなければならない.測定場所以外からの反射日射を無視し得ない場合には,その熱量を適切に計算に反映させて日射吸収率を求めなければならない.測定対象布の形状は測定される日射吸収率に影響しない.綿 100%の着衣素材の日射吸収率は黒色が 0.67,白色が 0.21 である.

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© 2010 日本生気象学会
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