1988 年 25 巻 1 号 p. 11-17
都市の高層集合住宅と低層の長屋における室内環境調節の実態を明らかにするために, 大阪市とその近郊12地点で環境調節法のアンケート調査と日除けと他の調節装置に関する観察を行った.収集されたデータを記述し, 林の数量化III類を用いて分析した.居住者は, いろいろな手法の組合せを用いて夏を過しているが, その手法は, たとえば, 通風, 扇風機, クーラー, 建具や敷物の変更などで, クーラーと簾の利用は, 都心部の住宅より郊外の住宅で少ない.これらの手法は, 場所によって異なり, 調査地区は, 居住者による暑い気候を調節する手法に従って4つのグループに分類できる.