日本生気象学会雑誌
Online ISSN : 1347-7617
Print ISSN : 0389-1313
ISSN-L : 0389-1313
寒冷曝露によるラット肝チトクロームP-450の分布に関する組織学的研究
小林 康人高山 昇二郎宮崎 良文仙頭 正四郎高野 健人
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 25 巻 1 号 p. 19-25

詳細
抄録

寒冷曝露 (4℃) によるチトクロームP-450の肝臓組織内分布の変化について, 抗ラットPB-P-450家兎血清を用いて免疫組織学的に検討した.
PB-P-450を多く含む肝細胞は, 24℃飼育ラットでは肝小葉内中心静脈の周囲に局在していたが, 寒冷曝露4週間ラットでは肝小葉全体に分布していた.この曝露4週群におけるPB-P-450陽性細胞において, その反応は強陽性であり, 細胞質内のPB-P-450陽性顆粒も, 対照群に比べ密に認められた.寒冷曝露3週間ラットではPB-P-450分布は中間的な変化を示し, 寒冷曝露1, 2週間ラットでは, 24℃飼育ラットと比べ免疫組織学的に有意な変化は認められなかった.
寒冷曝露4週間ラットでは生化学的方法にて測定されるアミノピリン代謝速度の上昇を認め, この結果はPB-P-450陽性の肝細胞数の増加, 細胞内のPB-P-450陽性顆粒の密度の増加と対応しているものと考えられた.

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top