2020 年 72 巻 3 号 p. 257-259
実験植物であるシロイヌナズナの葉の表皮細胞は成長するにつれて境界線が複雑に入り組み,ジグソーパズルに似た形状のパターンを形成する.これを本論ではジグソーパターンと呼ぶこととし,木造建築の継ぎ手へ応用することを考え,簡易な引張試験を行い,強度や特性を伝統的な継ぎ手と比較した.その結果,今回取り出した曲線については継ぎ手としてある程度の強度と,靭性のある破壊挙動を示した.ジグソーパターンを用いることにより引っ張り方向だけでなく全方向的に靭性のある接合が実現できるのではないかと考えられる.