2022 年 74 巻 1 号 p. 95-100
階層的な街路が交通機能に応じて交差平面で交差し,交通流の外から動的に通行権を付与する交通信号制御の導入条件を整理する.その場で動的通行権付与状態を多様な利用者に公知する機能としての交通信号機について考察し,その基本原理に忠実な自律分散型信号制御の意義を論じる.ここでは主に,灯器位置.交通流の制御上の制約.運転者挙動特性.法令上のルールと実際の交通流現象との関係に焦点を当てて論ずる.また,自動運転などの技術進歩を勘案し,街路ネットワークの高度な交通流管理施策実現に向けて目指すべき方向性を示す.