2025 年 77 巻 1 号 p. 51-55
本研究は,半閉鎖循環型養殖生簀の水流特性を最適化し,水循環システムの効率を向上することを目的とした.粒子画像流速測定(PIV)と数値シミュレーションを組み合わせて,生簀内の流れ場や溶存酸素(DO)を解析した.給水管の孔数や入射角度が水流に与える影響を実験で調べ,シミュレーションモデルの検証を行った.DOシミュレーションのためにカスタマイズされたソルバーが開発され,魚の快適性,酸素供給方法,排泄物除去効率を評価するためのシミュレーションモデルを構築し,入水方法が溶存酸素濃度に及ぼす影響を調べた.今後は,持続可能な養殖システムの設計に対する理論的基盤を提供し,養殖環境の安定性を促進する新たな指針を示す.