日本生態学会誌
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特集2 持続可能社会を実現するための実効性のある制度としてのユネスコエコパークの可能性
国際的な自然保護制度を対象とした国内ネットワークの比較研究 ―世界遺産条約、ラムサール条約、ユネスコMAB 計画、世界ジオパークネットワーク―
田中 俊徳
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2016 年 66 巻 1 号 p. 155-164

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抄録
本稿は、特集のテーマである「ユネスコエコパーク:持続可能社会を実現するための実効性のある制度を目指して」を念頭に置き、我が国のユネスコエコパークが実効性の高い制度として発展するために必要な方策について、同様の国際的な自然保護制度との比較分析から論じるものである。本稿では、ユネスコエコパークが依拠するユネスコMAB 計画と同様のサイトベースの国際自然保護制度として、世界遺産条約、ラムサール条約、世界ジオパークネットワークを取り上げ、サイト間の情報共有や相互交流、普及啓発を担う国内レベルのネットワークがどのような形で管理運営されているかに焦点を当て、論じる。それぞれの国内ネットワークとして、「世界文化遺産」地域連携会議、ラムサール条約登録湿地関係市町村会議、日本ジオパークネットワーク、ユネスコエコパークネットワークを取り上げ、各ネットワークの事務局体制、入会資格、会費制度、実施事業等を比較分析する。とりわけ、1989 年から25 年に渡り活動しているラムサール条約登録湿地関係市町村会議、2009 年に発足し、活発な活動で知られる日本ジオパークネットワークについて詳細に論じる。比較分析の結果から、ユネスコエコパークがより実効性の高い制度として発展するために、1. サイト・自治体の主体性及びネットワークの独立性を重視すること、2. 実施事業を充実させること、3. ユネスコエコパークネットワークの事務局体制を強化すること、4.1 から3 までを実現するために、入会資格と会費制度を検討すること、の4 点を提言する。
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© 2016 一般社団法人 日本生態学会
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