日本生態学会誌
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特集 つる植物の多様な生態と多様な研究
森林群集における木本性つる植物の分布特性とクローン繁殖戦略
森 英樹 上條 隆志正木 隆
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2019 年 69 巻 2 号 p. 83-91

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抄録
木本性つる植物は森林群集においてホスト樹木に負の影響を及ぼし、結果的に森林動態にまで影響しうる。本総説ではこれまでの森林におけるつる植物の研究を概観し、つる植物の重要性をそのクローン繁殖と関連づけて議論した。つる植物の個体数、種数、バイオマスについては、温帯林よりも熱帯林が高い値を示すが、つる植物の胸高断面積が樹木よりも小さい点で傾向は共通していた。最近の研究では、つる植物はホスト樹木の枯死率を増加させることで、森林全体の炭素蓄積量を減少させていることが明らかになってきている。林分内の分布特性を解析した事例によると、成熟した森林では、つる植物はクローン繁殖によるラメットを親株からの養分供給によって林床で多数待機させ、一度林冠に到達したつる植物はホスト樹木を乗り換えることで分布を大きく広げることが示されている。今後は、樹木群集全体の種組成への影響など、つる植物が存在することの意味をより幅広い観点から解明することが課題である。
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© 2019 一般社団法人 日本生態学会
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