日本生態学会誌
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特集2 無神経な行動生態学
リザバーコンピューティング:原理と生態学における応用可能性
潮 雅之 中嶋 浩平
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 74 巻 2 号 p. 229-238

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抄録
近年、ニューラルネットワークを用いたデータ解析法が活発に開発されている。ニューラルネットワークはその応用可能性・性能の高さからあらゆる分野で利用されており、これから益々その応用は広がっていくと考えられる。一方で、低い解釈可能性や高い学習コストなどの欠点も指摘されており、これらを改善するための研究も続けられている。最近、学習コストをかけずに高い性能を発揮できる手法として、リザバーコンピューティングという手法が注目されている。ニューラルネットワークの学習コストのうち大きな部分を占めるのはネットワークを構成するノード間の重みの調整であるが、リザバーコンピューティングは、この重みの調整を必要とせず、高速な学習が可能である。さらに、この「ノード間の重みは固定」という特性を活かして物理物体に計算をさせる物理リザバーコンピューティングという新たな分野も創出されている。例えば、シリコン製の柔らかい物体の動きに情報処理を任せることで、物体を用いたコンピューティングが可能である。また、少数ではあるが生態学に関連した研究でリザバーコンピューティングが用いられ始めている。本論文では、リザバーコンピューティングの概要を解説し、物理リザバーコンピューティングの関連研究を紹介する。また、少数の生態学に関連する研究についても解説し、今後のリザバーコンピューティングの生態学での応用可能性について議論する。
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© 2025 一般社団法人 日本生態学会

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