布地同士の擦れにより,傷みの程度を判断するための指標を得るために,9種類の試料布について,摩耗程度の異なる7種類の布を用意し,引張り強度,圧縮特性,表面特性,厚さ,平面重,風合い,色および布の印象の各々の摩耗による変化を調べた.
摩耗布の引張り強度の変化と相関があった試験項目について傷みの指標を検討した結果,圧縮特性RCでは-20~-28%,厚さでは-2%以下,平面重では-7~-16%の変化率が,布地の傷みの目安となること分かった.風合いの官能評価では,摩耗により“毛羽”,“傷み”,“粗さ”,“ごわごわ感”,“色あせ”の印象が大きくなることが分かった.また,“色あせ”“粗ざ”“ごわごわ感”“毛羽”の評価値と“傷み”の評価値との間に高い相関が得られ,色の変化が傷みの指標の一つとなることが分かった.色の変化を原布との色差⊿E*abとして調べた結果,摩耗により色の変化がかなり感じられる程度,即ち⊿E*ab=1.5以上変化すると,摩耗布が傷んでいると認識できることが分かった.