雪氷
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融解時における積雪固相の塩化物イオン濃度変化の定式化
飯田 俊彰石井 周作梶原 晶彦
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2011 年 73 巻 5 号 p. 321-330

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抄録
積雪が部分的に凍結融解を繰り返す過程で固相の氷から液相の水への溶存イオンの移動が起こり,融雪初期にイオン濃度の高い融雪水が流出する現象が知られている. この現象のモデル化に応用するため, 本研究では, 融解時の積雪固相の塩化物イオン濃度の減少率を無次元化し, 固相の積雪水量の減少率の関数として定式化することを試みた. 制御された条件下で一定時間融解させた自然積雪および人工の模擬積雪の試料を遠心分離し, 分離された液相および残った試料の溶存塩化物イオン濃度を測定した. その結果, 固相の塩化物イオン濃度はいずれの実験ケースでも融解時間とともに減少し,融解開始後6時間までの間にほとんどの固相の塩化物イオンは液相へ溶出した. 一方, 液相の塩化物イオン濃度は,融解時間に伴う明瞭な傾向を示さなかった.固相の積雪水量の減少率と固相の塩化物イオン濃度の減少率との間の関係が明らかにされ, 前者が小さい場合でも後者は大きく増大することが示された. 得られたデータを用い, 融解時の固相の塩化物イオン濃度の減少率が, 固相の積雪水量の減少率の簡単な関数として表わされた.
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© 2011 公益社団法人 日本雪氷学会
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