抄録
新潟県能生町の柵口地区に位置する権現岳(標高1104m)の東斜面において,2001年12月から2005年3月までの4冬期に行った雪崩観測の結果のうち,最も雪崩が頻発する斜面で得られた431個の雪崩映像を対象として,雪崩の規模として雪崩サイズの概念を導入して雪崩の発生数との関係について調査を行った.アメリカで用いられているU.S.スケールの雪崩サイズを用いた研究では,最小の雪崩サイズを除いた場合は雪崩サイズ(S)と発生数(n)にはLog n=−αS+βの関係があり,係数αは時空間的に差異があることが指摘されている.本研究では最小のサイズを除いた場合,雪崩サイズと発生数には同様の関係がありα=0.65,β=3.7となったが,冬期別のαの値には差異があり,降雪深や最大積雪深と関係がみられた.このため,雪崩の規模と発生数には特定の規則性が存在し,同じ斜面でも係数αは冬期ごとの積雪の違いによって差異があると考えられる.