2021 年 83 巻 3 号 p. 275-284
本研究では,1km 解像度の気象データを用いて,2017/2018年の北海道で発生した吹雪による視程低下を計算し,吹雪発生マップを作成した.また,自己組織化マップ(SOM)を作成して冬季の日本付近における気圧偏差の分布を分類し,北海道で吹雪が発生したときの総観場の特徴を調べた.吹雪発生マップの作成には力学的ダウンスケーリング(DDS)を施した1km 解像度の気象データを,SOM の作成にはJRA-55 の60 年分の平均海面気圧のデータをそれぞれ使用した.作成した吹雪発生マップの結果,石狩平野や日本海側の海岸付近で吹雪が特に多かった.また,SOM による解析の結果,冬季の気圧偏差の分布は大きく分けて高気圧型,南岸低気圧型,西高東低型の3パターンに分類することができた.このうち,北海道で最も吹雪をもたらした気圧パターンは西高東低型であった.