雪氷
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論文
摩周湖の全面結氷条件の解明およびそれに基づく2021年2月の全面結氷日の予測
亀田 貴雄蜂谷 衛仁平 慎吾細川 音治
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2022 年 84 巻 1 号 p. 65-88

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抄録

摩周湖の結氷状況を近くの展望台で1974年から2021年まで毎年観測した.その結果,摩周湖は48年間で27回全面結氷をしており,全面結氷率は56.3 %であった.摩周湖に近い川湯と弟子屈のアメダスデータを用いて,摩周湖が全面結氷する条件を調べた結果,川湯アメダスの2月の月平均気温が-8.9℃以下になると,95.5 %の確率で全面結氷年を推定できることがわかった.弟子屈アメダスの日平均気温の61日間の移動平均での年最低値が-7.8℃以下になった時にも95.5 %の確率で全面結氷年を推定できることがわかった.摩周湖は一定の日積算寒度に到達すると全面結氷するのではなく,前年の夏の気温の影響を受けて,全面結氷に必要な日積算寒度が変化することもわかった.この関係を用いて2021年の摩周湖の全面結氷日を2020年9月1日,2021年1月1日,1月16日時点で予測した.その結果,全面結氷日はそれぞれ2月22日,2月10日,2月8日と予測できた.2021年は2月14日に全面結氷したため,予測誤差はそれぞれ+8日,-4日,-6日であり,前後1週間程度の予測誤差となった.現在,摩周湖周辺では2月の月平均気温が上昇しているため,摩周湖が全面結氷する確率は,今後減少すると考えられる.

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© 2022 公益社団法人 日本雪氷学会
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