雪氷
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回転円盤による雪粒子の剪断付着力の測定法
阿部 修
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2007 年 69 巻 5 号 p. 601-609

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抄録

回転円盤上に多数の粒子をばらまき,付着した粒子の遠心力と付着力が等しいという原理を利用して,単体粒子と平盤の間の勇断付着力を測定する方法を考案した.回転中の円盤上に粒子をばらまけば瞬間的な付着力を,また静止した円盤上にばらまきその後回転させれば一定時間経過後の付着力を測定することができる.この方法により,気温-12.5~-2.5℃における,ガラスビーズ(半径0.125~1mm)と氷盤,雪粒子(投影面積相当半径0.21~0.42 mm)とガラス盤の問の勇断付着力を測定した.測定された両者の剪断付着力は,明確な粒径依存性および温度依存性を示した.瞬間的な剪断付着力は,粒径については,粒子が球形の場合は半径の2乗に,不定形の場合は投影面積相当半径/円形度の2乗に比例し,温度については,低温ほど小さな値となった.-11.2℃における付着後15s経過した半径0.5mmのガラスビーズと氷盤の剪断付着力は同じ条件の瞬間的な剪断付着力より1桁大きかった.また,複雑な形状をした雪粒子の剪断付着力は円形のものより大きな値を示した.

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