環境科学会誌
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一般論文
国内製造業の環境技術特許と財務パフォーマンスの因果関係性分析
藤井 秀道八木 迪幸馬奈木 俊介金子 慎治
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キーワード: 環境技術特許, 製造業, 日本
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2011 年 24 巻 2 号 p. 114-122

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抄録

本分析では国内製造業を対象に,環境技術特許の取得数と財務パフォーマンスの因果関係性を企業レベルのデータを用いて明らかにする。環境技術は(1)汚染防止技術,(2)エネルギー技術,(3)製品開発に関する技術の三つに分類し,特許取得数には引用数で重み付けを行い使用した。分析対象期間は1965年から1997年の33年間であり,分析にはポアソン回帰分析を適用する。分析結果より経済パフォーマンスと汚染対策技術及び製品に関する環境技術特許取得数との間に正の関係性が観測されたことから,業績が好調で研究開発資金に余裕がある企業が環境技術特許の開発を積極的に行っていると言える。企業規模は環境技術開発と強い因果関係性を持ち,大規模企業の高い研究開発能力は汚染防止技術,エネルギー技術,製品開発技術のすべての分類において,特許取得数を増やす関係性が明らかとなった。企業の外部要因が与える影響として,環境規制の強化は汚染対策技術開発を促進させるが,エネルギー技術開発には影響を与えず,製品開発技術にはタイムラグを経て負の影響を与えることが明らかとなった。一方で,石油価格の上昇は汚染対策技術,エネルギー技術,製品開発のすべてにおいて研究開発を促す影響が確認された。

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© 2011 社団法人 環境科学会
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