2015 年 28 巻 6 号 p. 426-431
サトウキビ耕作地からの赤土流出プロセスの解明や流出対策を検討する上で,筆単位での刈取り日を正確に把握することが求められている。筆単位を観測できる高解像度の人工衛星観測では撮影頻度に限界があり,日々の耕作状況のモニタリングには適さないことから,自動撮影デジタルカメラによる観測を行い,刈取り日を自動的に推定する手法を開発した。1日3回の頻度でサトウキビ耕作地を撮影した画像から赤緑青(RGB)のデジタルカウントを抽出し,統計的に解析することにより,悪天候時に取得された画像を自動的に除去し,撮影範囲内のサトウキビの収穫日を面的に把握することを可能とした。このようなデジタルカメラによる高空間・時間分解能画像の観測は安価かつ多点展開が可能であり,自然生態系の変動把握や農地モニタリングなど様々な分野への応用が期待できる。