環境科学会誌
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水田からのメタン発生に及ぼす水稲移植密度の影響
渡辺 彰梶原 雅子吉田 重方木村 眞人
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2000 年 13 巻 2 号 p. 223-227

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抄録
 大気中メタン濃度の上昇は地球温暖化の原因となっている。水田はメタンの主要な発生源のひとつである。本研究では,水稲の移植時の株あたり本数(1,3,5,7)および株間距離(15×15cm,15×30cm,30×30cm)が水田からのメタン発生に与える影響を調べた。株あたり本数の異なる処理区からの一作期間の総メタン発生量は3本立区が他の処理区よりも有意に大きく,7本立区で最も小さかった。また,株間距離を変えた場合には30×30cm区からのメタン発生量が最も大きく,15×15cm区で最も小さかった。分げつ数や植物バイオマスの違いからは,処理区間のメタン発生量の違いを説明することはできなかった。処理区間の籾収量の差は小さく,株あたりの本数を多くするあるいは株間距離を小さくすることで収量を減らさずにメタン発生量を削減できる可能性を示した。
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