環境科学会誌
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PRTRデータと重み付け係数を用いた企業の環境パフオーマンス計測
川原 博満
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2008 年 21 巻 3 号 p. 245-251

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抄録

 本稿では,別稿に示す環境行動と経済および環境パフォーマンス評価に用いる指向性距離関数(Directional Distance Function,以下DDF)に入力する環境影響指標の一つとして,有害化学物質の影響を考慮するためのPRTRデータと幾つかの重み付け係数に基づく環境影響指標を提案する。この環境影響指標の基礎情報にはPRTR届出データを用い,毒性の異なる有害化学物質を指標として相対的に比較可能なものとする目的で神奈川県やEPAが作成した重み付け係数の活用を検討した。また,事業所の立地条件も考慮に入れるために,事業所周辺の人口を算出し,第2の重み付け係数として使用し比較を行った。 その結果この指標を用いた環境パフォーマンス評価結果から,有害化学物質による人の健康への影響や生態系への影響を考慮した環境影響指標としては有効であるが,前者に対しては人口分布や事業所の立地状況などの地域特性も大きく影響することが分かった。また,神奈川県を対象地域として業種ごとに環境影響指標を比較した評価では,化学工業や輸送用機械器具製造業において,換算排出量および周辺人口が比較的高く,優先的な取り組みが期待される業種であることが示唆された。

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