薬剤疫学
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企画/薬剤疫学研究に活用されるデータベース —品質管理の現状—
2. National Clinical Database の利活用とデータの質の管理
隈丸 拓高橋 新福地 絵梨子一原 直昭平原 憲道宮田 裕章
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2016 年 21 巻 1 号 p. 27-35

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抄録

National Clinical Database (NCD) は 2011 年に登録を開始した分野横断的な症例レジストリープラットフォームである.年間 150 万件を超える症例がウェブシステムを介して登録されており,参加学会の増加とともにその規模は拡大してきている.全国規模の臨床学会の専門医制度との連携のもと,NCD に登録されるデータは高い悉皆性が特徴である.本稿では NCD データの利活用の例として,1) 医療の質の評価および向上に向けた利活用,2) clinical question に対する観察研究利用,3) ヘルスサービスリサーチ利用,4) 産官学連携プロジェクトにおける利用の4つを紹介する.また,NCD が機関の最重要業務の一つと位置づけるデータの質の管理についても,そのための取組み例として,収集データ項目の定義・設計,事務局機能の整備,ウェブシステムを利用した登録データチェック,そして監査・データ検証のプロセスを紹介する.

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© 2016 日本薬剤疫学会
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